NPO SB.Heart Stationの副理事長として、精力的に活動を続ける小川喜功さん。この活動をはじめたきっかけや、ボランティアの難しさ、これからの活動についてお話を伺いました。
ボランティア活動の難しさ
しかし、それと同時に様々な問題に直面しました。靴が多くなり、発送の機会が増えるほど発送費用も大きく変わってきます。
また、送ってくれる物の中には、現地には持っていけないものもあります。例えば、ブーツなどを善意で送ってくれてもフィリピンやミャンマーのように暑い国では履くことはありません。
他にも、おもちゃや文房具などはボランティアには使えません。なぜなら、何百人もの子供たちに届けなくてはいけないから、誰かに特別にあげるということはできないのです。
結果的にこちらで廃棄しなくてはいけなくなることも多く、当然廃棄にはお金がかかってしまう。
もともと自己資金で行うつもりで始めたものの、1人で行うのには限界がでてきてしまい「ボランティア」という活動の難しさを実感しました。
だから、少しでも多くの皆さまに「どんなものが必要とされているか」ということをご理解いただきながら、協力していただけるような体制をつくれたらと思っています。
活動を通して、感じたこと
フィリピン・ミャンマー・カンボジア・タイすべての国がそうだけど、向こうの小学校6年生は小学校3年生にしか見られません。極端な言い方かもしれないけど、やっぱり成長に恵まれない。日本人も決して大きいとは言えないけれど、成長具合でいうと向こうの子供たちのほうが一回り小さいです。
ミャンマーの子供たちと
また、日本にいると、親が学校に行きなさいって言って行かされる子供、友達に会いに行く子供、学校が好きで行く子供などいろんな子供たちがいるけれど、向こうの子供たちは、学校よりもお父さんやお母さんの手伝い、仕事を優先するのが当たり前。学校に行くこともままならない子供たちが多くいます。
それに、他の子供たちが病気になると、隣近所の子供たちが村中でお金を集めて医療費を作って助けてあげるのが普通です。
そういった世界の実情を間近で感じると、日本の常識は世界の常識ではないということを実感します。日本がどれだけ恵まれているかというのも、この活動を通して感じていただけるきっかけになればと思っています。
これからの目標
「日本の常識は世界の常識じゃない」と言いましたが、日本ではお水を飲む時って美味しいとか美味しくないとかそういった判断をしますよね。しかし、向こうでは「飲んでも大丈夫なお水」か「そうじゃないか」です。実際、現地で水を飲んで体調を崩してしまう人も本当に多いのです。それほどまでに、水の安全性は確保されていないのが現状です。
だから、今後は現地で安全な水が飲めるように井戸掘り支援も行いたいと考えています。
自分たちに出来ることがどのくらいあるのかわかりませんが、少しでも多くの子供たちの笑顔に繋がれば嬉しいです。